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カードゲームの基本から細かな点を新しくしていったら全く新しいゲームができた「クロノマギア」レビュー
2018/04/13 19:58
ハースストーンに始まり、少し前からドラクエから本気のカードゲーム「ドラゴンクエスト ライバルズ」が出るなどスマホゲームの人気ジャンルになったデジタルTCGですが、正直どれも似通った部分があります。
今回パズドラの山本プロデューサーが制作ということで現れた期待の新作であるこの「クロノマギア」は確かにデジタルTCGらしい部分を多く踏襲しつつも、細かな各要素が見直されており、それらが集まった結果全く新しいゲームになっています。
とはいえ基本はデジタルTCG、カードを集めてデッキを組んで相手と1対1で戦う。ここまでは流石に同じです。
またカードには出すためのコストがあり、攻撃力と体力がある、双方カードで攻撃し合い、相手のキャラクターのHPをゼロにすれば勝ち、こういった基本は抑えています。
じゃあ何が違うのかというとかなり細かくなるのですが、わかりやすいところでいうと場に出せるクリーチャーカードは3枚までと少なめ、クリーチャーは基本的に場に出したターンでは裏返し状態で次のターンで召喚され(その場に現れ)る、場に出すためのMPは毎ターンリセット&フル回復ではなく持ち越し&蓄積型、キャラクターに複数スキルを自由に付け替え可能、などがあります。
まず召喚の1ターン遅れについてですが、これが結構曲者。他のゲームでは出したターンは攻撃できない、といったルールはありましたが、このゲームでは召喚されていないので出したターンに攻撃を食らうことも無いのです。
そのため出す側としてはクリーチャーがやられる事も考慮して場にカードを上手く出し続けないと攻撃も壁も無くなってしまいますし、出される側としては出してきたターンに即攻撃ということができず相手の動きを待つ必要があります。
そしてコストですがこれも珍しい。よくあるタイプではMPは毎ターンリセット&ターン経過ごとに上限が増えていくというのがオーソドックス。それにより後半には強いカードをだせるようになる、というスタイルでした。
このゲームでは余ったMPは次ターンに持ち越しで、さらに一定数回復していきます。これにより、カードゲームの重要なポイントとして「コスト管理」がありますが、今までの「コスト管理」とは全く別物になります。
他のゲームでは、まず前提としてターン終了時にMPを残さない、後半の強カードをスムーズに出すため場を整えるのが基本戦略ですが、クロノマギアでは最初から手札に良いものがなければMPを溜めて早めのターンに強カードを使うということができます。
また、メインのキャラクターを攻撃されてライフが減るとその分MPが回復するというルールもあり、大ダメージを受ければその分一気にカードを使えるという特徴もあります。
これにより全体のゲームスピードはプレイヤー次第でかなり早めることもでき、また一気に動く時の流れもかなり劇的なものになります。
他にもメインキャラクターごとにスキルが違うだけでなく、MPの回復量や防御力などが全く違うといった特色も。
これにより、誰を選ぶかで単に使えるスキルが違うだけでなく、上述のコスト管理やカードを扱う戦術も全く違う展開を作ることができます。
オーソドックスなカードゲームの基本ルールは抑えながらも、一つ一つに「このルールは変えても大丈夫か、変えると何が起こるか」が非常に丁寧に考察されて作られていると感じます。
もちろんその分未知数な所も多く今後ゲーム自体がどういった展開を起こすかわかりませんが、触れた感じではカードゲーマーなら即新しいルールにも馴染めてしばらくすればそれなりの解法が出てきそうでありながら、新しくも決して複雑化はしていないので新規プレイヤーも楽しめるのではないかと思います。