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1ターンの手数が少ない!だからこそ思考性を試されるチェスや将棋のような感覚のシミュレーションゲーム「チェーンストライク」レビュー
2018/04/04 19:30
シミュレーションゲームといえば、自軍ユニット達を進軍させながら敵を倒していくのが基本ですが、このゲームは1ターンに出来る手数がかなり少ないのが特徴。
そのため、どのユニットを移動させるのか攻撃するのかなど1手1手が重要な選択となり緊張感があるゲームになっています。
視点は真上から斜めまで自由に変更できる見下ろし型で、マップは一画面内に収まるコンパクトな作りです。
ここに自軍のユニットたちを出撃させていくわけですが、何と言っても特徴は1ターンに出来る手数。行動するために必要なAPは1ターンに3しかなく、基本的に移動に1、攻撃に2使います。
APはユニットごとではなく全体共通なので1ターンに動けるユニットは2〜3体が限界、しかも1つのユニットで移動後に攻撃などもできません。誰かが攻撃したら他もう1体が移動できる、位で1ターンが終了してしまいます。
その代わり、攻撃範囲と移動範囲が広い&特殊になっています。攻撃範囲と移動範囲が同じ範囲でユニットの職業別に共通となっています。
職業によっては縦横十文字に長く移動&攻撃できたり、自分の1マス周囲を空けて外周円上に動けるなど、かなり特殊な動きをします。
1ターンに出来る行動も少ないことも相まってチェスや将棋に近い感覚もあります。
ただ、手数が少ないとなると、一般的なシミュレーションゲームのように、全ユニットをじわじわ進軍させながら追い詰めていく、といった動きはできません。
そこで重要な要素が敵を倒すと、倒したユニットはそのマスに移動するというところ。
全体敵に攻撃範囲は広いので、これを上手く使うことで攻撃したユニットを移動させつつ、残ったAPで他のユニットを移動という戦術をとることができます。
逆にいうと敵の真っ只中に強制的に突っ込んでいってしまうという場合もあるので注意も必要です。
このゲームでは全体的に敵の攻撃範囲ギリギリを避けて進むというより、多少は身を削りながらそれを最小限に押さえて如何に一気に叩くか、という攻撃性の高いゲームデザインになっている気がします。
それに合わせて、防御アップなどのスキルは最初からAP0で使えて、対象も味方全ユニットという感じになっています。
また最も重要なのが連携攻撃。1ユニットが攻撃する際、対象が他のユニットの攻撃範囲に入っていれば同時に攻撃してくれます。
連携攻撃は複数ユニットが参加可能で、しかも行動済みユニットも対象。連携攻撃ができる状態にどう持っていくかが最も重要な動きでもあります。
また珍しい要素として戦闘開始前にユニットの位置を選択できます。
1手1手がかなり重いこのゲームにおいて初期配置はかなり重要で、それを汲んだ面白いシステムです。
全体的にかなりクセのあるシステムですが、オリジナリティがあり且つ思考性が高く戦闘のテンポも損なっていません。慣れてくるとどのユニットをどう動かすべきかがじわじわ見えてきて楽しくなってきます。
グラフィックも綺麗で全体のクオリティはかなり高いゲームとなっており新しい形のSLGとしてオススメの一本です。