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年に一度のドット絵の祭典「Pixel Art Park 6」レポート!むせかえる程のドット絵の波に心ゆくまで溺れてきた!
2019/11/25 11:55
2019年11月24日(日)、東京千代田区の3331アーツ千代田にて日本最大級のドット絵の祭典「Pixel Art Park 6」が開催されました!
昨年も取材させていただいたのですが、このイベントはゲームやイラスト、音楽などあらゆるジャンルのドット絵・ピクセルアート・チップチューンなどが集結する大イベント。様々なドット絵で描かれた/作られたゲームの紹介やグッズの販売などが行われます。
そしてその中にはスマホアプリやその関連グッズなども多数出展されているのです!というわけで昨年に続き、イベントの様子をご紹介したいと思います。
「World for Two」(と「サムライ地獄」)
とはいえ、ミートアイはスマホ中心のサイトなのでまずはアプリ中心に見ていきましょう。
最初に訪れたのは、近年アプリストアも組織だった動きが占めるようになったり、大手でもなかなか運営が難しく個人開発アプリも厳しくなってきた状況でスマッシュヒットを打ち出した「World for Two」(と「サムライ地獄」)のグッズを販売・展示する「ハフハフ・おでーん」さんのブース。
なんと今回、この会場で初となる「World for Two」(と「サムライ地獄」)のアートブックが登場しました。
ゲーム自体が、超美しいドット絵で崩壊した世界を描いたことが人気の引き金にもなった作品だけあり、本になって見るその美しさはまた別の楽しさがあります。ファンなら必携のアイテム。
「World for Two」の本については午前中で早くも売り切れておりました。こちらは後日オンラインでも発売される予定とのことなので、欲しい方はそちらを待ちましょう。
また、散々カッコ書きにしてきた「サムライ地獄」のアートブックですが、正直こちらの方が気合入ってない?という位凄い出来でした。キャラクターイラストに細かな解説がついており、テキスト部分もめちゃくちゃ気合が入っています。そしてパロディが多い作品だけにそのテキスト部分も含めて面白い。
ちなみに「サムライ地獄 九天魔城の謎」はまだリリースされていません。昨年の「Pixel Art Park 5」でも出展しており、その時点のレポートで2年くらいリリースを待っていると私が書いているので、そこからさらに1年経っていますが、まだリリースされていません。その本を売るという胆力が凄い。
他にもブースでは「World for Two」のトランプ(これも、イラストが全部つながるという凄い出来)や、ステッカーや缶バッジ、あと「World for Two」と「サムライ地獄」どちらもに関係のないただただかっこいいデザインのアクリルキーホルダーなどが販売されていました。
「StrangeTelephone」
リリース中の人気アプリ「StrangeTelephone」を開発するyutaさんのブース。
ここでも初となる公式のガイドブックを販売。不思議な世界観とそれを見事に表現するドット絵の親和性が非常に高いゲームだけあり、こちらも見応え読み応え抜群のファンが嬉しいアイテムとなっていました。
「StrangeTelephone」はつい先日Nintendo Switch版もリリースされたということもあり、そちらのバージョンの試遊も可能。
お話ついでに聞きましたが、今回ゲームアプリ系の本の販売が多いことについては、別にみんなで合わせたわけではなく本当に偶然だそうです。
ところにょりさんの新作
5月にリリースした「おわかれのほし」を最新作とする「ひとりぼっち惑星」をはじめとした一連のシリーズをリリースしているところにょりさんは今年も新作を発表。
現時点ではまだ動いている絵という段階ですが、次回作はプレイヤーと同じ時間が流れる中で老人と犬をの生活を見守る内容とのこと。今までの退廃的な未来ではなく、わりとほのぼの系?
昨年の時点で「おわかれのほし」がリリース前だったことを考えると、ちゃんとイベント毎に最新作がリリースされていて、次回作を発表するという素晴らしいサイクルですね。今後も楽しみです。
カイロソフト
おまたせしました。今回のイベントの本命といっても過言ではありませんカイロソフトが参入です。
カイロソフトといえばガラケー時代から圧倒的なクオリティのドット絵ゲームを排出し続ける老舗にして最前線を駆け抜けるドット絵ゲームの代表みたいなメーカーです。
今回は初のグッズ販売ということで、カイロソフトのバイブルとも言うべきドット絵の歴史が詰まった「すばらしい画集」をはじめ、なぜかトイレットペーパーや定番のアクリルスタンドなどを販売。しかも今回のイベント以外での販売予定はいまのところ無いとのこと。激レア。
グッズ販売は、開場直後から長蛇の列ができ飛ぶように売れていました。
他にもカイロソフトは「Pixel Art Park 6」のイベント自体にも大いに協力しており、まず会場に入ったところには大型展示を設置したり、会場内のブースのどこかにカイロくんを使用した特別なジオラマボックスを全部で6個展示するなど、宝さがし的なイベントも実施していました。
そして、さり気なく展示モニターの上に新作リリースに関する初だし情報が…!?
Alim
こちらもスマホゲームメーカー大手のAlim(エイリム)。Alimは毎年参加しておりすでに定番化していますが、大手メーカーらしい出展をしているのが特徴。
代表作であるブレイブフロンティア関連の資料展示はもちろんですが、来場ユーザーの似顔絵をドット絵で書くサービスやドット絵を書く体験をするコーナーなど、単なる技術力だけでなくマンパワーも感じさせる圧巻のブースとなっていました。
あそこまで大きなタイトルを手掛ける企業がこうやってユーザーに触れ合う機会を儲けてくれるというのはファンにとってはたまらないですね。
びはんとマルの森
育成ゲームアプリ「太陽人間」を配信中のRirCreateが今後リリース予定の新作。
素材を集めて家具や家財を作り、自分だけの家や庭などを作っていく箱庭クラフト系ゲーム。家づくりやキャンプのようなほのぼのとしたドットが特徴。昨年の展示から進化し、配置アイテムをランダムで作れる要素が追加されていました。
配置の際の操作性などは非常に心地よく、例えば机の上に食器などを組み合わせて配置することもできるといった形で、クラフトゲームとしてとにかくよく出来ています。
来年リリース予定とのことで、こちらも非常に楽しみな作品。
言葉で育成!ことだま日記
こちらは好評配信中の「言葉で育成!ことだま日記」の開発チームSke6(すけろく)とデザイナーachabox(あちゃぼっくす)の合同ブース。
プレイヤーが選んだコトダマによって様々なキャラクターが育つ育成ゲーム。かなりのパターンのキャラクターが現れる育成ゲームということもあり、グッズの種類も超豊富。
プレイしているユーザーなら、自分が育てたことのあるキャラを探してもいいですし、遊んだけどここで初めて見るキャラもいるかも?初めての方もここで見て気に入ったキャラを目指してゲームを始める動機にもなりそうです。
モグルモア
「どこでもドラゴン」などこちらもアプリゲームとして超絶ハイクオリティなドット絵が人気のGRADUCA(GAME GABURI)さんのブース。
こちらではサラッと(?)新作「モグルモア」の予告が展示されていました。2020年リリース予定。モグル=潜る?ということで絵を見る限り何やら大量のモグラらしき生き物が見えます。装備品のようなものも見え、クエストといった単語もあるので何かしらRPG的な要素があるように思えます。
とにかく言えるのはこのティザー画像だけでもと相変わらずのドット絵クオリティは凄まじく期待できそうです。
映像も、立体も、音楽も…めくるめくドットの世界
と、一通りアプリの紹介を終えたところで、あとはとにかく会場全体に行き渡るめくるめくピクセルアートの世界の一部をご紹介したいと思います。
やはりいちばんよく見かけるのがドットによるイラスト。グッズとしても見栄えもよくコレクションがしやすいアクリル系のアイテムが人気。
ただ、イラストベースだけでも、あらゆるバリエーションがあります。ファミコンのような粗い8bit系のドット絵なのか超精細に書き込まれたものなのか、題材はファンタジーかリアルか、生き物か機械か、題材はなになのか?アーティスティックそれともポップ?などなどなど。
すべてのブースが千差万別でこんな表現もあるのか!とか、これをドット絵で!?と驚いたり、美しさに感動したりと見ているだけで飽きません。
そして表現は絵だけではありません、立体だったり、それも素材が違ったり、一口に立体と言っても2Dベースの立体化なのか、3D化なのか、などこれもあらゆる表現方法があります。
さらに映像や、ドット絵文化の逆輸入といってもいい今この時代にスーパーファミコンのゲームを作っているブースなんかもありました。
ピクセルアートの世界は見るだけではありません。いわゆるピコピコサウンドに始まる音楽だってピクセルアート。最新の音楽技術や手法を使って新しい8bitチューンが生み出されていたり、ドット絵を使ったゲームに提供されるオーケストラだってピクセルアートを形作る一つの素晴らしい表現です。
いかがでしょうか?どれも魅力的ですよね。かくいう私も、昨年訪れてこのイベントとピクセルアートの世界の虜になった1人。もともとゲーム表現として好きではあったドット絵ですが、今やその世界はゲームだけではなくあらゆる方向に広がっており、決して古き良き表現ではなくこれが最新のデザインの一つの形だと確信をもってお伝えできます。
古くからあるからこそ、今でも進化し続けるピクセルアートの世界。みなさんもぜひ楽しんでみてください。