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AppleのキャリアへのiPhone販売について公取委が審査結果を発表。ノルマは存在したもののペナルティの実態は無し。独禁法違反の疑いは解消

2018/07/11 19:34

AppleのキャリアへのiPhone販売について公取委が審査結果を発表。ノルマは存在したもののペナルティの実態は無し。独禁法違反の疑いは解消

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 公正取引委員会が2018年7月11日(水)本日、アップル・インクに対し平成28年10月以降,独占禁止法の規定に基づいて行ってきた審査を終了したと発表しています。

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 それによると、AppleからキャリアへのiPhone販売について「1年ごとにApple Japanに注文するiPhoneの数量が,一部の年についてあらかじめ具体的に定められていた。」等あり、かねてから噂のあったノルマの実在が明らかになったものの、「MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementでは,数年間について具体的な注文数量が定められていたが,定められていた注文数量は大部分の年について達成されておらず,未達成に対する不利益も課されていなかった。」とあり、実態として何かしらペナルティが課せられることもなかったようです。

 ノルマ自体も「一部の年について」とあるように、常に厳密な数が指定されているわけではなく一時的なものであり、”独占禁止法上の考え方”としても「限られた年を除いて具体的な注文数量が定められていなかったこと,定められていた注文数量がその数量の注文を義務付けるものであったとはみられなかったこと等から,Apple JapanがMNOの事業活動を拘束していたとは認められなかった。」としています。

 他にも料金プランについては「基本料金,通話料金,データ通信料金等の額が定められていた。」としながらも、「iPhoneプラン以外の料金プランの提供も可能であるとされていたこと,定められていたiPhoneプランが提供されていなかった」ことからこれもApple JapanがMNOの事業活動を拘束していたとは認められなかった、としています。

 どうやら、契約内容としては具体的な数字などがあったものの、それを達成できなくても何かしらペナルティがあるといったことはなかったということがほとんどのようで、形骸的な約束だった模様。あくまで文書からの情報しかわかりませんが、おそらく会社や担当者間では、そういうものとして契約が進んでいたのだと思われます。

 ただし一点、”補助金に係る規定”についてはAppleはキャリアが利用者に販売する際に補助金を提供する旨定められていたとしていました。

 これについては「スマートフォンの購入に伴う利用者の実質的な負担額を軽減し,スマートフォンの普及を促してきたとも考えられる。」という一定の理解を示したうえで「Apple JapanがMNOに対して一定額の端末購入補助の提供を義務付けることは,MNOによって多くの利用者に対してスマートフォンと電気通信役務が一体的に販売されているという現状において,電気通信役務料金の引下げやスマートフォン価格と電気通信役務料金の組合せを制限することにより,移動体通信サービスを提供する電気通信事業者間の低廉で多様な料金プランの円滑な提供を通じた競争を減殺するなどの場合には,独占禁止法上問題となり得る。」としておりAppleは販売規約の改定をMNO3社と合意のうえ、委員会に申請済み、すでにそれも「契約改定は,独占禁止法違反の疑いを解消するものと認められる」として解決済みとなっています。

 補助金の指定については無しにしなければならない、というものではなくAppleが具体的に指示してキャリアが行うのはいかがなものか、という内容なので、従い方によってはキャリアが毎月の減額料を減らす可能性もなくは無いですが、そうすれば単に端末価格が上がり購入者が減るだけになる可能性があり、キャリアとしてもそれは望むところではないはずです。

 すでに3キャリアは今までに何度もiPhoneを販売してきた実績があるので、目安としての減額量というのはAppleも含め双方わかっているのでおそらくAppleからの具体的な指示が契約上なくても今まで通りの目安で減額が行われるのではないでしょうか。

 公正取引委員会の発表した内容は堅苦しい言葉が並んでいて難しいような印象がありましたが、見てみたら意外とわかりやすく、また内容としても興味深いことが多く記載されているので一読してみると面白いですよ。

 (平成30年7月11日)携帯電話事業者との契約に係るアップル・インクに対する独占禁止法違反被疑事件の処理について:公正取引委員会

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イマ&ムラ

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