ニュース

カテゴリ 特集・連載

今さら聞けないゲーム用語、「デベロッパー」と「パブリッシャー」って?

2017/05/02 17:30

今さら聞けないゲーム用語、「デベロッパー」と「パブリッシャー」って?

このエントリーをはてなブックマークに追加

google+

pocket

follow us in feedly

 iPhoneを始めスマートフォンが登場しアプリの作成・販売網が整備されたことにより、今までは専門家の専門的な行為であったソフトウェアを作って販売する、ということが誰でもできるようになりました。

 そこでよく聞くのが「Developer(デベロッパー)」という言葉。Appleもイベントなどでは度々デベロッパー向けの情報を出すこともあり、耳にすることが増えました。

01

 簡単に言うと開発者、なのですが、同じジャンルの言葉として「Publisher(パブリッシャー)」というものがあります。今回は2つを簡単に説明します。

アプリ画面のデベロッパー名は必ずしも開発者・社ではない

 App Storeのアプリ画面を見ると必ずデベロッパー名が書かれています。しかしこれはAppleのデベロッパー登録をして販売している個人または開発会社であって必ずしもアプリを作った人や会社ではありません。つまりデベロッパー名はあくまでデベロッパー名であり絶対に=デベロッパー(開発者)じゃないんです。

develop08

 どういうことか、ここでもう一つの「パブリッシャー」が出てきます。

 そもそもデベロッパーとは開発者、つまりアプリのプログラムを書いたり、絵を書いたり、音楽を作ったりする人ですね。

 対してパブリッシャーは直訳すると「出版社」、他にも「発行者」「版元」などの意味があります。つまりアプリで言えば販売をしている人・会社となります。

 つまりApp Storeに出ているデベロッパー名はどちらかというと、デベロッパーよりもパブリッシャーに近い意味合いの項目ということとなります。

販売元=開発でもない

 いやいや、開発して販売をしているんだからどっちでもええやんけ、となるかもしれませんが、これもさにあらず。

 一人で作って一人で販売している個人開発者などであれば開発者=販売者ですが、企業となると必ずしもそうではありません。

 分かり易く先に例をだしておくと「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」このアプリは販売元はバンダイナムコエンターテインメントですが、実際にアプリを開発しているのはグラブルなどでお馴染みのCygames(サイゲームス)です。

develop06 develop07

 おなじくバンダイナムコエンターテインメントから出ている「GOD EATER ONLINE」これも販売元と違って開発はアヴァベルオンラインなどで有名なアソビモが行っています。

develop05

 これらは別に販売元が金にものを言わせて他社に開発させてサボってるということではなく、デレステであれば元となったガラケー時代からある「アイドルマスターシンデレラガールズ」をCygamesがそもそも担当していた流れがあったり、「GOD EATER ONLINE」であればすでにアヴァベルを始めとしてアソビモがスマートフォンアプリのMMORPGで多大なノウハウを持っている為依頼したと考えられます。

 つまり自社が作りたいアプリのクオリティアップのために、目的のアプリを作るのが得意な会社に依頼しているということですね。

 逆に開発会社からすれば巨大なIPを使ったアプリを作れば実績になりますし、もちろん開発の際の収益も得られます。

 他にも海外のアプリを買い付けてローカライズして出す場合なども開発者=販売者でない場合があります。

 もちろん自社で全て開発し販売を行う会社も多くあり、どちらかというとそういう会社の方が多いとは思います。ちなみにその際は「内製」なんて言葉を使われることがあります。

デベロッパーを知るメリット

 では、このデベロッパー≠パブリッシャーであることを知るメリットはなんでしょうか。

 1つに自分好みのアプリを見つけやすくなることが挙げられます。

 パブリッシャーだけではゲームの内容や好みが判断つかない場合にデベロッパーを見て、以前にそこのアプリと相性が良かった・期待ができるといった様にゲーム内容の判断がしやすくなります。

 また規模感にもよりますが、前述の「GOD EATER ONLINE」などであれば、それだけ開発を頼られる会社だということがわかりますし、パブリッシャー側の会社としての体力なども見えてきます。

 他にもちょっとやらしい話、株などで有力な判断材料にもなります。

 ちなみにこのデベロッパーとパブリッシャーという存在と関係、別にアプリだからというわけでなく、ゲームやソフトウェア業界では昔から当たり前の様にあります。

 例えば誰でも知っている「ドラゴンクエスト」、これまた誰もが知っているスクウェア・エニックス(旧エニックス)のゲームですが、開発は今のスパイク・チュンソフト、当時のチュンソフトが行ってます。

develop03 develop04

 当時のチュンソフトはこのドラクエの成功もあり、莫大な利益を得ていわば裏方であったデベロッパーから、自社開発・販売を行うパブリッシャーへと成長したりしています。(その後一回表舞台から引いたり色々ありましたが)

 デベロッパーとパブリッシャーの関係に決まった形はなく、完全に丸投げのものもあれば、エンジン部分のみの開発や、IPだけを貸す場合などこれに関しては詳細までは外からはわかりません。利益の配分も様々で、完全一回の買い切りであったり、アプリの様に継続的に収益が望める場合はレベニューシェアであったり、またその配分比率も様々です。

 あくまでゲームの本質ではなく、ゲーム業界のお話ではありますが、知っていると業界自体をちょっと別角度から楽しめます。業界の人間からしたら当たり前の話ですが、ゲームにまつわる豆知識として知っておくと面白いですよ。

ライター名

この記事を書いた人

イマ&ムラ

このエントリーをはてなブックマークに追加

google+

pocket

follow us in feedly

Related 関連記事

ページの上に戻る