ウォールストリート・ジャーナル（WSJ）は27日、上海で行われた「Mobile Asia Expo」にて、NTTドコモ代表取締役副社長を務める坪内和人氏とのインタビューを掲載しています。

　その中で坪内氏は、「ドコモのiPhone販売を妨げているものは何ですか？」という質問に対し、「私たちは、iPhoneを販売する案に反対する必要があるわけではありません。状況次第です。」と答えています。

（※以下抄訳）

坪内氏：ドコモがiPhoneを販売すれば、日本市場でのシェアを拡大できるでしょう。しかし、iPhoneを導入する際の状況をよく考えるべきです。他の国内キャリアはとても安い価格でiPhoneを販売しています。そしてそれは、販促費がとても高いことを意味しています。

　さらに、Androidで提供しているドコモ独自のサービスはiPhoneでは導入できず、カスタマイズもできないため、それら（独自サービス）を諦めなければなりません。

　私は、iPhoneとiOSはディズニーランドに似ていると思っています。ディズニーランドを愛する人々は大勢おり、その世界の中では完璧な満足を得ることができるでしょう。しかし、スヌーピーやスパイダーマンが欲しいという人々もいて、ディズニーランドの中ではそれらは許されません。ディズニーランドの中で、スヌーピーグッズを販売することは許されないのです。

　iPhoneは確かに魅力的な製品です。私たちの顧客にもiPhoneを望んでいる人はいるでしょう。しかしドコモは、iPhoneなしで生きられないわけではありません。私は、iPhoneの販売が必要不可欠なものだとは思っていません。（※抄訳ここまで）


　坪内氏はハッキリ断言することは避けていますが、同インタビューだけみればドコモのiPhone導入は難しいという見解ができるでしょう。ただし冒頭で「状況次第」と述べており、状況が変わればiPhoneを販売する考えがあることも強調しています。“ドコモ一人負け”とまで言われている状況で、「iPhoneの取り扱い」と「独自サービス」を秤にかけた上でどう出てくるのか、今度の動きに注目です。

参考： WSJ