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iOS 8でリリース予定!Androidで1000万DLを達成したキーボード「Simeji」のiOS版を事前に見てきました。
2014/09/16 20:30
17日にリリース予定のiOS 8、そこで最も注目されている機能の一つがサード製キーボードです。
今までiPhoneではAppleが用意したキーボードしか利用できませんでしたが、今後はキーボードの追加変更が侍中にできるようになります。
すでにAndroidでは初期から実現していた機能ですが、iPhoneでは初!そこですでにAndroidで1000万DLの実績があり、iOS 8と同時にリリースを予定しているキーボード「Simeji」についてバイドゥさんにお話を聞きに行ってきました!
Simejiとは?
Simejiは2012年にリリースされたAndroid向けキーボードアプリで、世界で最初に公開されたサードパーティ製日本語キーボードです。つい先日、累計で1000万ダウンロードを達成しています。
特徴としてはクラウド上にあるデータを取得することで常に最新の変換を可能にする「クラウド超変換」や、特殊文字を含む多彩な顔文字を簡単に呼び出せること、キーボードのデザインを自由に変更する機能などがあります。
今回はSimejiの開発に関わっているバイドゥの河本さんにお話をお伺いしました。
イマ&ムラ「というわけで、宜しくお願いします」
河本さん「よろしくお願いします」
イマ&ムラ「早速ですが、iOS版Simejiの売りを教えてください!」
河本さん「今回は初めてのiOS版ということでAndroid版よりかなり機能を絞っています。その中でも大きな特徴は3つ”クラウド超変換”、”顔文字”、”スキン変更”となります」
クラウド超変換!?
※コチラがSiemjiだ!
河本さん「まずはクラウド超変換、これはAndroidでもメインとなる機能ですが、クラウド上に最新の変換データが更新され、端末では普通に変換するだけで最新の変換候補が出てきます」
イマ&ムラ「あ、これ使えるんですね。私はAndroid版を使っているのでこの機能を内容も含め知っていましたが、正直Appleはキーボードに対してこういうリアルタイム通信をする様な機能は許可しないかと思っていました」
河本さん「どうやらOKみたいです。ただし、機能をONにするさいにしっかりとユーザーにその旨の通知をだす必要があります」
イマ&ムラ「ほぅ」
河本さん「こんな感じで、まずはインストール後、設定のキーボードから「フルアクセスの許可」をONにする必要があるのですが、まずその時点で許可が必要となります」
「その後、キーボード自体に入っているクラウド超変換の設定をONにする際もこうやってポップアップをだします」
イマ&ムラ「なるほど。このフルアクセスをONにしないとクラウド超変換は使えないわけですね」
河本さん「そうです。もちろんローカルにも優秀な変換候補をしっかりと入れているので、それだけでも使って頂けますが、やはりローカルのデータはアプリのアップデート時にしか追加出来ないので、クラウドをONにして常に最新の快適な変換を使っていただきたいと思います」
顔文字
河本さん「豊富な顔文字も売りの一つですね。動きとしてはデフォルトと同じでテンキー左下にある顔文字ボタンから一覧が呼び出せます」
「デフォルトのキーボードはとにかく全ての絵文字が一覧で出来ますが、Simejiではカテゴリ分けをしているのでわかりやすくなっています。「くそねみ」だけのカテゴリなんてのもあります」
イマ&ムラ「なんでや…」
河本さん「カテゴリは人気の顔文字によって随時追加されますよ!」
「他にちょっとしたところなのですが、絵文字もカテゴリが文字になっています」
イマ&ムラ「ほんとだ。確かにデフォルトのキーボードってカテゴリの絵文字が全然カテゴライズできてくて結構意味不明なんですよね」
河本さん「ですね。ただカテゴリの分け方・内容はそのままなので、もともとの内容があんまり統一されていないのもあって、カテゴリ名は結構強引です(笑)」
スキン変更
河本さん「これもAndroidでの人気機能ですね。キーボードのデザインを4つのパターンから変える事ができます」
>※こんなのや
※こんなデザインに変更可能
イマ&ムラ「あ、数は決まってるんですね。Android版だとミクコラボとか、自分の写真を設定できたりしたと思うんですが」
河本さん「仕組みとしては可能なんですが、自分の写真の設定などはまだiOS版では実装していません。写真へのアクセス権の設定や通知が必要など、ユーザーにとっても複雑さが増してしまうので現時点では規定のものから選べる、というだけにしています」
イマ&ムラ「なるほど。まだiOSでは最初なので、まずはシンプルにということですね」
河本さん「そうですね。機能の追加はユーザーさんの要望に応じて随時やっていきたいと思います」
イマ&ムラ「期待してます」
気になるAndroid版の機能
イマ&ムラ「さて、もうちょっと踏み込んで、今入っていないAndroid版での機能や他のことについてお伺いしたいと思います」
「まず、Androidユーザーにとって命とも言える”マッシュルーム”機能はOSの仕様上やはり難しいんでしょうか?Android版を知る人間からすると最も重要な機能だと思うのですが」
※AndroidにはOSレベルで”インテント”というアプリ間受けわたし機能があり、これを活用することで、メールアプリで文字を入力中にキーボードから絵文字専用アプリを呼び出してそのアプリから絵文字を挿入、シームレスに元のメールアプリに戻る、といった動きが可能。
河本さん「実はiOS 8からエクステンション機能が追加されるので、理論上は可能だと思います。ただ、まだ新しい機能のため、色々と不明点が多く試したり調べたりしている段階ですね」
「Androidではマッシュルームで使える”ぼくゴリラ”というアプリがあって私大好きなんですよ。」
打った文字全てをゴリラ語に変換し全てを台無しにする”ぼくゴリラ”
イマ&ムラ「おお、知ってます!!私も大好きですよアレ!昔、大爆笑しながらレビューしました!」
河本さん「ああいう何の役にも立たない馬鹿馬鹿しいアプリもiOSでもっと増えて欲しいなと思いますね」
イマ&ムラ「基本的なところですが、変換精度はAndroid版と変わらないんですか」
河本さん「それは変わらないです。ただ、顔文字については表示できるフォントの問題で差し替えをしたり、iOSのみのものもありますよ」
イマ&ムラ「あと、個人的にずっと言い続けているんですがiOSのキーボードには戻るボタンが無いんですよね、Androidには大体あるのに。ぶっちゃけアレさえあればそれで結構満足なんですが、Simejiでは入れられないんですか?」
河本さん「実はAppleからその機能については認められていないんですよ。なので現状入れるのは厳しいですね」
イマ&ムラ「あががががが…ショックです……」
Appleの制約について
イマ&ムラ「ちょうどお話が出ましたが、やっぱりAppleの制約というか制限は厳しいですか」
河本さん「いろいろとあるんですが、私たちの場合はベースとなるアプリが元々しっかりあるんで、そこまで気にならなかったですね。一つ一つ条件を確認して、こういう制限があるならこうすればいい、というのがはっきりしているのである意味では作りやすいとも言えました」
イマ&ムラ「なるほど」
河本さん「あえて厳しかったのを一つあげるなら、場所の制限ですね。キーボードは使っていい画面の領域がはっきり決められてるんです。この高さまで!って」
イマ&ムラ「おお厳しい!Appleらしい!」
河本さん「しかも最初それがかなり狭かったんですよ。キーボード上にだす変換候補の領域が狭くなっちゃってかなり見づらかったです。ただそれもつい先日変更があって、やっと綺麗に入れられました」
イマ&ムラ「そんなに頻繁に変わるんですか」
河本さん「急な仕様変更は結構ありますね。大変なのはその情報の精査と対応ですね。まだOS自体がリリース前ですからね、そこらへんはAppleさんや他の開発者さんと一緒に成長していく感じです」
イマ&ムラ「うわぁ…大変そう……」
お金の話
イマ&ムラ「iOSでのサード製キーボードというジャンル自体が初めてということもあり、マネタイズについてはどう考えているんでしょうか」
河本さん「正直まだ具体的にどうマネタイズするか、とかはあまり考えていないんですよ。まずはSimejiを知ってもらおう、とにかく弊社のアプリを多くの人に使っていただくことだけを考えています」
イマ&ムラ「なるほど。細かな話ですが、前提としてキーボードの有料課金ってできるんでしょうか」
河本さん「それはできますよ。キーボードもアプリとしてApp Storeで提供されるので、まず最初にそこで有料にできます。あとアプリの拡張などを追加課金も同様にできますね」
※iOS 8では「キーボード」カテゴリができるかも?
イマ&ムラ「日本だと特にですが、ゲームなどは今はほとんどが広告収入モデルじゃないですか、それはやはり不可能ですかね」
河本さん「そうですね。やろうと思えばキーボードの中にバナー広告なんてことも技術的には不可能じゃないですが、Appleに怒られる可能性が高いのと、流石にそれはキーボードとして使えないのでやらないです」
「キーボードアプリは普通にアプリとしてもホーム画面に入るので、入れるとしたらそれをタップした中に広告を入れる事は可能ですかね。Android版ではメニューの中に一応さりげなく入ってはいます。ただそうやって入れても今のSimejiの作りだとあんまり期待はできないですね(笑)とにかく現状はユーザーの確保が目標です!」
イマ&ムラ「じゃあ最後に、iOS版のキーボードを出す他社で気になるところはありますか」
河本さん「やっぱりATOKさんは気になりますね。あちらは他OSでも有料じゃないですか。多分iOSでもそうなるんだろうけど、じゃあいくらでだすのかなって。ウチは最初から無料前提なんで」
イマ&ムラ「それは私たちも気になってました。編集部内でも1200円から1500円くらいか、もしくは安くて600円くらいかな?なんて言ってましたから」
河本さん「あとはSwiftkeyさんも気になりますね」
イマ&ムラ「なるほど。本日はありがとうございました!SimejiのiOSでの活躍も期待しています」
iOS初となるキーボードについて、いかがだったでしょうか。今後大手の他にも小中関わらず参戦が期待できます。
ひょっとしたら私たちの思いもよらぬ使い方やアイデアが出てくるかもしれません。それらは全てアプリから始まります。新しい市場となるのか期待したいと思います!