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Apple Musicで開始されたロスレス/ハイレゾロスレスオーディオを試してみる。※ロスレス以上自体が初体験

2021/06/25 08:00

Apple Musicで開始されたロスレス/ハイレゾロスレスオーディオを試してみる。※ロスレス以上自体が初体験

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 2021/06/08、WWDC21基調講演が終わり数時間後にApple Musicで空間オーディオとロスレスオーディオの提供が開始されました。

 というわけで実際に試してみました。ちなみに、私はロスレス以上、ハイレゾロスレスなども初めての体験となります。

 なのでまずは機材が必要になります。ロスレス(24bit/48kHz)であればiPhoneに対応しているイヤホン/ヘッドホンを有線で接続すればOK。さらに上のハイレゾロスレス(最大24bit/192zHz)を使うには有線で外部DAC(Digital Analog Converter)が必要になります。

 今回用意したのはこちら。

 iPhone用にDAC「SHANLING UA2」、iPad用のDAC「Pengo (ペンゴ) USB-C-3.5mm イヤホン変換アダプタ」、ハイレゾ対応イヤホン「パイオニア SE-CH5T」、専用DACを通さない聴き比べ用にApple純正の「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」。

 用意した後から知ったのですがApple純正の「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」も一応DACに分類されたりされなかったりするのだとか。ただしハイレゾには対応せずロスレス(24bit/48kHz)まで対応となります。

 で、機器を用意するだけではロスレス/ハイレゾロスレスは聞けません。iPhone側で設定が必要です。

 設定アプリの「ミュージック > オーディオの品質」でロスレス/ハイレゾロスレスを選ぶ必要があります。

 「モバイル通信ストリーミング」「Wi-Fiストリーミング」「ダウンロード」の3つの状況に応じてそれぞれ設定することができます。

 これで準備はOKですが、実際にロスレスオーディオを聞くにはもう一つ。ロスレスで配信されている楽曲を探す必要があります。

 Apple Musicのアルバム画面や各楽曲の再生画面に「ロスレス」「ハイレゾロスレス」の表示があるものであればOK。

 ぶっちゃけ大変ですね。

 とりあえずこれでできる限りの聴き比べをしてみました。二度目ですがロスレス初心者なので色々ご容赦を。

 やってみた比較はイヤホンは同じで、
①iPhoneでDAC「SHANLING UA2」を接続してロスレス/ハイレゾロスレスを聴く。
②DACを付けたままiPhoneの設定でロスレス/ハイレゾロスレスをOFFにして聴く。
③DACを外して設定はONにしてApple純正変換アダプタを付けてロスレスを聴く。
④DACを外して設定もOFFにしてApple純正変換アダプタで聴く。

 まず、とにかくいきなりですが、ロスレスを聞いてみた感じとしては、「今までの聞こえ方から劇的に違う!一発で違いがわかる!!」というレベルではないと感じました。

 とはいえ、この時点で聴き比べたわけではなく、あくまで↑の①のみをやった状態。今まで普段聞いていた時を思い出しての比較となります。が、無意識に聞いて一発で違いが分かる、という程ではないという感じです。もちろん個人によると思いますが。

 でここからロスレスOFFとの聴き比べ。ON/OFFにして同じ楽曲を数曲聞いた時点で、違いとしてはなんとなく違うな、というのが分かるという感じ。

 数十分ほど聞いて感じたのは、ロスレスオーディオは音が綺麗になる、クリアになる、精細になるといった感じではなく、色々考えて出てきた表現はロスレスというものの内容そのままとなってしまったのですが「音の情報量が上がる」という感じでした。

 単にノイズが減ったり音域が変わったりするイヤホン同士の聴き比べとは違い、音楽を奏でる各音を細かく見る(聴く)とその音の小さな単位がより細かく描かれている、といった感じ。一口にドット絵と言ってもファミコン時代の8bitからスーファミ時代の16bitがあるといったイメージです。

 イヤホン同士の聴き比べでは味わったことのない変化という意味ではなかなか面白いです。

 で、なので確かに音は良くなったのですが、これが劇的か、というと難しいところ。

 おそらく今回の様に必死に聴き比べている時の方が意外と影響は少なく、ずっとロスレスを聞き続けているうちに耳が慣れた状態でロスレス未満の音を聴く状態には戻りたくなくなってくる、となっていく類のものだと思います。

 そしてロスレスとハイレゾロスレスの違いについてですが、こちらはハイレゾロスレスの楽曲がそもそも少なくさらに最高レベルの24bit/192zHzはもっと少なく、ハイレゾでも24bit/96kHzがほとんどでした。

 とはいえ、なんとかあるもので比較してみましたが、ここについては正直ロスレスとそれ以下との比較よりさらに差は少ないと感じました。あくまで個人の感想ですが。

 さらに、①②→③④でDAC「SHANLING UA2」から純正の「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」でも比較しましたが、これについてはDAC自体の音質があるため、変えると全く別物となってしまい比較対象としては成り立たちませんでした。

 ただし、「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」でもロスレス再生は可能なので、それについては③と④での比較しましたがこれについては上述の通り、音の情報量が上がるが瞬間的に劇的に感じるものでは無かった、という状態でした。

 そして、iPadでは「SHANLING UA2」と「Pengo (ペンゴ) USB-C-3.5mm イヤホン変換アダプタ」の外部DAC2種類を使っての比較をしましたが、これもiPhoneの時のDACの違いのときと同じでDACによって音のタイプ自体が違うので比較自体が難しい、という結論となってしまいました。

 とはいえ、ロスレス自体は設定でON/OFFができるので、各DAC内でロスレスの有無を比較しましたが、やはりいずれのDACでもロスレスONにすることで音の情報量の向上が感じられました。

 ロスレス/ハイレゾについては初めて体験しましたが、聞き続けることで体感が変わってくるものかな、という気がしました。今は比べようとして聴いているので、有り無しどちらの状態でも納得して聴くことが出来ていますが、このままロスレス/ハイレゾを聞き続けて慣れていくとおそらくもとに戻ることが難しくなっていく気がします。ロスレス/ハイレゾというのはそういうものなのかな、というのが感想です。

 とはいえ何度も言いますがあくまでロスレス初心者としての感想です。初心者ではありますが、聴き比べた正直な感想でもあります。機材によってはもっと差を感じることができたかもしれませんが、いきなりそこまで高級な機材を揃えて、というのも現実的では無いとも思います。

 これらをひっくるめて、今回聴き比べた個人的な結論としては、「今の音響環境に嫌気がさすほど困っていなければ焦って対応する必要はまだ無いかな」という感じでした。

 焦らなくてもこれからもっとiPhoneの基本性能やApple Musicを含め配信される音楽のデータや音質の向上は最低限のラインから全体含め上がっていくので、わざわざ今の時点で機器を用意したりせずとも当たり前に享受できる音楽環境でこういった体験がしやすくなるはずです。

 とはいえ、1つの節目ではあると思いますので色々試してみるのも楽しいですよ。

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