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右フック犬にマッスル狐…ネットで話題になった動物たちが割とちゃんとした格ゲーになってやってきた!「Fight of Animals-Solo Edition」レビュー
2020/07/19 08:00
強烈な右フックを繰り出しているような犬、腕組みをして構えているような狐、二足歩行で歩いているように見える猫…インターネットには様々な動物のネタ写真が存在します。
そんな有名写真ネタの動物たちが大集合!格ゲーとなったのがこの「Fight of Animals」です。すでにSwitch、Steamで発売されていますが、スマホ版となっています。
スマホで格ゲーというと、やはり操作系などのハードルが高くなかなか難しいジャンルではありますが、本作はかなり上手くスマホ向けに落とし込んであり、操作はかなり快適です。
疑似パッドはほぼ物理キーと同じ動作をし、前進後退はもちろん上でジャンプ、下でしゃがみ、相手と反対側でガードと格ゲーの基本そのまま動作します。
唯一違うのはダッシュとバックステップ。物理キーだと左右の2回押しで動作することがほとんどですが、疑似パッドの2回押しは打ちづらく判定も難しいので、左右下にちいさく専用ボタンが設けられています。これは非常にありがたい。スマホ格ゲーの弱点をよく研究した結果としてのボタンです。
攻撃はほとんどが十字キーとの組み合わせではなく、シンプルにボタンに動作が割り当てられています。十字キーとの組み合わせで変化するのはジャンプとしゃがみ攻撃のみ。いわゆる通常技・特殊技はありません。
↓↘→(236)+攻撃のようなコマンド技は無く、必殺技は全て「S1」「S2」「S3」「Special」のボタンに割り当てられています。
意外と、というと失礼ですが、格ゲーとしてはかなりしっかり出来ていて好印象です。動きも滑らかで入力の受付もかなり細かいです。
ただし、通常投げが無く、これは格ゲー好きの人にとってはちょっと懸念点かもしれません。投げが無いことで格ゲーの基本の三すくみが崩れてしまってはいるので気になる方は気になるかもしれません。
出てくるキャラクターがキワモノ出身ばかり(のみ?)なので、バランスが心配でしたが、これもまた意外とよく出来ています。しかもちゃんと元ネタを活かした攻撃や動きをしており、これも凄い。
例えば右フック犬はパンチ主体のボクシングのようなファイトスタイルですし、腕組みをしている狐は、そのまま腕組みは外さず蹴り主体で戦います。それぞれのキャラクターにおいて、確かにこういう動きをしそう!と思わせてくれるのが素晴らしい。ほとんど一枚絵の写真が元ネタなのに、よくここまで上手く膨らませて、さらに格ゲーとして成立させているのは見事です。
ただし卵のような犬なんかは、形状が形状だけに難しかったのか、全身から棘がでる、小型の卵犬爆弾を産み落とす、必殺技はちょうちんお化けのような動き、と逆にやけくそのような挙動をします。
これもご愛嬌。
とはいえ、若干甘い部分があるのも事実。メインメニューは正直簡素ですし、メインとなるアーケードモードも全キャラの中からランダムで5戦するだけです。
ボス戦やストーリーなどは無いので、本当にシンプルに敵と戦うだけの格ゲーという感じです。
さらにネット対戦もありません。タイトルに「ソロエディション」とある通り基本的には一人用ゲームです。
ただし、スマホ版オリジナル要素として巨大アザラシを倒すチャレンジモードがあります。タイムアタック形式になっており、このモードのスコアに関してはオンラインで競争することができます。
また、アプリ版はゲーム本体が無料となっているため、初期状態ではキャラクターは右フック犬しか使えません。操作キャラクターを増やすにはアーケードモードをクリアしてビンゴくじでキャラクターをアンロックしていくか、個別もしくはセットで有料購入することもできます。
練習がてら何度も挑戦して、無料でキャラクターをアンロックしていけば無料で遊べますが、対象となるキャラがランダムで、ビンゴもランダムでめくられるので、アンロックには結構時間がかかります。どうしても欲しいキャラがいるのであれば単体購入するのもアリかもしれません。キャラアンロックは1体120円、全解除は610円です。
最後デフォキャラとなる右フック犬の基本コンボを紹介。
攻撃×3→S1→S3→前ダッシュ→攻撃→S1→S3
これで大体1/3くらいは体力を奪えます。右フック犬は基本の攻撃のリーチが短めなので、きっちり近距離から繰り出しましょう。基本は相手の攻撃をガードしきって出していくところから。
個人的には多少足りない部分があるとは思いつつ、ゲームの核の部分はしっかりできており、かなり楽しめています。