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巷で噂の3Dプリンターって実際どうなの?話題のショールーム「CUBE」に行って来た!
2013/09/07 12:08
様々なものを立体的に造形する夢のような機械、3Dプリンター。ネットやテレビでよく見かけるけど、実際どんなものなのか直接見に行ってきちゃいました!
訪れたのがここ。渋谷にある3Dプリンター ショールーム 「CUBE」!
ショールームには心をくすぐる造形物がいっぱい!どれもこれも話題の3Dプリンターで作られたものなんです。
今回は特別にショールームの責任者である吉澤さんに3Dプリンターについてお話を伺ってきました。
▲笑顔がすてきな吉澤さん。
――本日は宜しくお願いします!(辺りを見廻して)3Dプリンターといっても様々な種類があるんですね。
吉澤さん(以下:吉澤)「最近話題になっている家庭用のものから、高精細な立体造形が可能な業務用のものまであります。価格は業務用の物(上の写真左)ですと1000万円台からになりますね」
――やはりお高い。で、でも家庭用ならもっと安いですよね!?
吉澤「昔は億単位だったので、これでもリーズナブルになったんですよ(笑)。ただこのフィギュアのように形をつくるだけであれば、一般ユーザー向けの16万円の機種でも可能です」
▲一般向けのプリンターで作られたテクノポップ系アイドルのフィギュア。
――え?ただ形を作る以外にも何か用途があるんですか?
吉澤「はい。業務用の機種の話になってしまうのですが、例えばこちらの朱印ケースですね。実はこれ、企業が新商品のテストモデルとして3Dプリンターで制作したものなんです」
▲身近な文具の誕生に3Dプリンターが関わっていた!
吉澤「例えば実際にこのフタがちゃんと閉まるかどうかといったことも、テストモデルで正確に確かめる事が出来るんです。業務用の機種なら細かな部分まで正確に立体化出来ますから」
――なるほど~、試作品の段階で細かい部分までチェックすることが可能になるんですね。
▲細かな細工が出来を左右する工具も、3Dプリンターを使えば正確にチェック出来る。
吉澤「そうですね。社内でテストモデルが試作出来る事で、翌日には設計エラーのチェックが出来ます。新製品開発のスピードアップに大きく貢献出来るんです。」
――という事は…私たちの身の回りには、既に3Dプリンターの試作品を通して出来た商品が沢山ありそうですね!
吉澤「はい、かなり多いと思いますよ。最近だとペットボトルにも色んな形が増えましたよね。あのような商品も3Dプリンターで試作品を作って、持ちやすさなんかをチェックしているんです」
――意外にもかなり身近な所で使われている技術だったんですね。
▲あの商品も3Dプリンターの試作を通して出来たものかも。(イメージ)
吉澤「現在3Dプリンターが使われている用途も、圧倒的に新製品のテストモデルが多いですよ」
吉澤「実際に3Dプリンターで何か作ってみましょうか。短い時間だと簡単なものになりますけど」
――わ~待ってました!
この可愛いピンクの家庭用3Dプリンター「Cube」でデータを立体化してもらえることになりました。(カラーバリエーションは全5色。)
まずは3Dの設計データが入ったUSBメモリを本体に接続し、立体物を固定させるために専用の糊を塗り付けます。
準備が整ったら、いよいよプリント開始。200℃に溶けたカラフルな樹脂が形を作っていきます。
吉澤:「CADと呼ばれる3Dの設計データをもとに、樹脂を一層一層重ねて形を作っていきます」
待つ事、約20分。出来上がったのはブルーも鮮やかなあの有名マーク!シンプルな形なら意外と早く出来ちゃうんですね。
――人間の体や好きなイラストなどを3Dプリンターで簡単に出力するのはやっぱりまだ難しいんでしょうか?
吉澤:「3Dのデータがあれば可能です。ただ一般の方ですと、そのデータを設計するまでが難しいのが現状ですね。それに生身の人間となると専用のスキャナーが必要になりますし」
▲人物の全身を取り込める専用3Dスキャナー。
――う~ん、やっぱり3Dデータの設計という高い壁があるんですね。
吉澤:「もちろんプリンタだけでも楽しめます!一般ユーザーでも楽しめるように、予め作成した3Dデータを配布しています。
▲カスタマイズできる3Dデータの一例。(配布元:Cubify)
パーツをカスタマイズして、オリジナルの指輪を作ったり、自分の好きな画像を入れられるデータなど結構種類が豊富なんですよ」
――無料のデータでも結構種類が豊富ですね。宇宙船とか王冠とか。
吉澤:「あとは無料の専用アプリを使えば、かんたんなイラストの3Dデータを作る事も出来るんです!」
――えっ!?
吉澤:「最近出来たアプリなんですが、一筆書きで3Dプリンターで出力できるデータを簡単に作れるんです。プリンタが無くても、3Dのイメージを見る事が出来ますよ」
――描いた絵が金太郎飴のように立体的に!アプリだけでも結構おもしろいですね。
吉澤:「ちなみにこのバイキン的な何か、うちに来た学生さんが一筆書きで作ったものです」
――これ、筆書きなんですか!?
吉澤:「テクニック次第ではこんなものも作れます。ただここまで凝らなくても簡単なマークなら誰でも出来ますし、オリジナルでクッキーの型抜きなんかも作れちゃいますね」
▲アプリを使った作品例。好きな絵を設定して、なぞりながら一筆書きをすることも出来る。
新しい表現の形として無限の可能性を秘めた3Dプリンター。
データの普及が大きな課題となっていますが、デパートのディスプレイなど活躍の分野は徐々に広がって来ているようです。今後の展開に大いに期待しましょう!
また今回取材に協力頂いた3Dプリンター ショールーム「CUBE」では不定期で一般の方向けに、3Dプリンターを使ったワークショップなどを実施しています。気になる方はぜひ公式サイトをチェックしてみて下さいね。
ライター:sunagimo