カテゴリ ゲーム-ミュージック
「ときめきアイドル」レビュー。”自分がプロデューサーである”ことを最高に感じさせてくれるアイドル音ゲーのあるべき姿の集大成
2018/03/25 11:16
アイドルを育成する音ゲーはラブライブ!のスクフェス、アイマスのデレステ、ミリシタとスマホゲームの1大ジャンルと言っていいほど確固たる地位を築き上げました。
このゲームも基本は同じ、リズムゲームを遊んでストーリーを進め育成していくというものですが決定的な違いが「圧倒的なプロデューサー感」です。
基本は他のアイドル音ゲーと同じ。集めたアイドルでデッキを組んでライブとして音ゲーを遊び、クリアやアイテム合成で経験値が入り育成。
全体のストーリーや各メンバーのストーリーが解放されて見ることができ、親密度もアップしていき、音ゲーパートの補助にもなっていく、という感じ。
ガチャや音ゲークリアでカード形式でアイドル+衣装をゲットすることができ、着せ替えなども可能。
と、ここまではよくあるアイドル音ゲーですが、このゲームには、数回音ゲーをプレイすると「メロディアスライブ」という特別なライブに挑むことができます。
この「メロディアスライブ」は一言で言ってしまうとオートプレイモードで育成度合いに応じて自動で音ゲー部分であるタップ操作が行われるモード。
ただ、このオートプレイがただのオートプレイではないのです。まず凄いのが圧倒的なライブ感。
アイドルが全員参加という見た目にも豪華なのに加えて、カメラアングルも凝っていて、曲の入りには一言二言ですがアイドルのマイクパフォーマンスも入ります。そしてなにより音にライブ会場の反響エフェクトがかけられ超リアルなライブ感を出してくれます。
そしてこのモードの凄いところは音ゲーのノーツ表示などがそのままというところ。オートプレイなので無くても良さそうなものなのですが、これがプレイヤーが遊ぶ音ゲーパートと同じように表示されます。
これの何が良いかというと、通常のプレイではミスした際はプレイヤーが自身のミスと感じるところが、このモードではこれが見えていること・自身がアクションしないことで、アイドル達が振りや歌詞などライブ中にミスした様に感じられるのです。
この「ビジュアルと音の演出」「全員参加というシチュエーション」「ミスも含めて見るだけ」という状態により、自分は彼女達全員のプロデューサーであり、舞台に送り出した彼女達を必死で見守っているんだという感覚が湧き出してくるのです。
仕組みとしてはちょっとしたものが付け加えられているだけなのですが、これらが合わさることでプレイヤーはかつて無いプロデューサー感を味わうことができるようになっています。
「メロディアスライブ」後もやることは普通の音ゲーやコミュニケーションだとしても、感覚として次のライブに向けて彼女たちを育てようという気にさせてくれます。
他にもとにかく曲がいい、とかVRも対応しているとかPRショットの撮影も楽しいとか色々ありどれも素晴らしいのですが、個人的にはこのプロデューサー感が他にない圧倒的なバリューだと感じました。
アイドル音ゲー後発ということでどんなものかと思いましたが正道にして覇道、さすが女の子とコミュニケーションをとるゲームとしては「ときめきメモリアル」や「ラブプラス」を作り上げ、音ゲーメーカーとしても「ビートマニア」シリーズを擁するコナミの底力を感じさせてくれる作品です。