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iPhoneのディスプレイが有機ELになるとダークモードが搭載されたりデフォルトのカラーが黒ベースのアプリが増える理由
2017/09/11 19:05
今年2017年のiPhoneは3機種発売されるとされており、その中でもiPhone発売10周年を記念して発売されるモデルiPhone X(iPhone 8 Editionなどとも)は今までの液晶ディスプレイから有機ELディスプレイに変わるとされています。
有機ELディスプレイを搭載すると同時に噂されていたのが、全体のテーマカラーが黒(もしくはそれに準ずる暗い色)ベースになるダークモードの搭載。
では、そもそも一体今までの液晶ディスプレイと有機ELディスプレイは何が違い、どんな事が変わってくるのか、なぜダークモードが必要となるのか簡単に解説したいと思います。
液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの違い
液晶ディスプレイは絵やテキストなど画面に表示されているものと光源が別にあります。
ざっくり言うと、ディスプレイの奥全体に光るパネルがあり、その手前に色のついたフィルムがあるような感じ。そのフィルム自体は光っておらず、絵や文字を切り替えつつ後ろから光らせて見えるようにしているわけです。
有機ELディスプレイは、それ自体が発光するという仕組み。つまりバックライトが不要で、絵や文字などその時表示しているモノの部分だけ発光しているということになります。
双方のメリットとデメリット
双方のメリットデメリットとしては、液晶ディスプレイは有機ELに比べて日光などの光源下で視認性を高くしやすく、劣化しにくいといった特徴があります。またかなり普及した技術であるため搭載のコストが抑えられるという点もあります。
対して有機ELは発色が良いこと、消費電力が少ないこと、薄型化し易いことなどがメリットとして挙げられます。これらの理由は全て上記の仕組みから成り立っています。
バックライトでの発光をしている液晶はイメージとしては上述の通り色のついたフィルムを後ろから照らしている状態なので、フィルムそのものの色より薄まってしまいます。対して有機ELはそのものが発色・発光しているためはっきりとした色が出せます。
また全体を常に光らせ続けている液晶に対して、色の付いた部分だけ発光している有機ELは消費電力も少なく、バックライトパーツも不要なので薄型化できる、という事になります。
ここでわかりやすい様に、液晶ディスプレイを搭載したiPhone 7 Plusと有機ELディスプレイを搭載したGalaxy S8+の起動画面を暗い場所で並べてみました。
普段iPhoneの起動画面は真っ暗中にリンゴマークだけが発光しているように見えますが、実は黒い部分も含めてディスプレイ全体が発光しているのがわかると思います。
対して有機ELのGalaxyは文字の部分だけが発光しており、その周辺の黒い部分はベゼルと区別がつかないほど真っ黒です。
ただし有機ELもメリットばかりではなく、まだ量産が難しい部分がありコストがかかるということ、屋外などでは視認性が液晶よりも劣る場合がある、また焼付きも起きやすいといったデメリットもあります。
すでにSamsungなどは自前で有機ELを生産していることもあり、Galaxyシリーズではかなり前から有機ELディスプレイを採用しています。
ここに来てAppleが有機ELを採用する(とされている)理由としては、元々将来性を期待されていた技術でしたが、デメリットであった視認性や焼付き、コスト面などの問題が技術の進歩により以前より少なくなったという側面もあると考えられます。
有機ELを搭載するならOSやアプリのデフォルト背景は黒い方が良い
ここでやっとタイトルの、iPhoneのディスプレイが有機ELになるとダークモードが搭載されたりデフォルトのカラーが黒ベースのアプリが増える理由になりますが、これまでに記載したことから、全体に映る色が黒ければ消費電力を抑えられるから、ということになります。
再三になりますが、液晶では何を映していても全体が発光し続けていますが、有機ELでは黒い部分は発光していない部分なので、内容としては同じものを画面に映していても背景などを黒くしてその部分が多ければその分消費電力を抑えることができるわけです。
こういったディスプレイの特色を活かすためにOSレベルで対応が進められると思われますし、サード製のアプリも消費電力を抑えた方が競合に対してユーザーにメリットを訴えられるためダークモードを搭載したり、デフォルトの背景を黒くするという対応が増えると考えられるわけです。
iPhoneも今後は有機ELがメインになるとされているため、よりアプリのベースカラーも黒っぽいものが増えていくのではないでしょうか。