ゲームでは定番ですが、iPhone向けのRPGとしてはここまで無骨というかド直球な戦記ものは案外なかった気がします。

　戦闘システムはわかりやすくもアクション性あり、戦略性ありの秀逸なRPGです！

　ゲームの最も重要な戦闘システムのキモは”行動順”です。画面右に自軍キャラクターのアイコンがあり、これをタップするとその順に右上にあるレーンに配置されていきます。

　実際の攻撃はこのレーンの順に行われるのですが、敵も同じレーン上に配置してきます。さらに配置場所によっては回復や攻撃強化など付加要素がある場合があります。

　単純に先に攻撃するために急ぐか、付加要素を狙ってタイミングをずらして攻撃するか判断力を求められます。

　またキャラクター毎に攻撃範囲が異なる属性があります。例えば斬属性なら敵の一番手前の列横3マスを攻撃、突属性なら縦に3マス攻撃といった形です。

　出撃できるキャラクターは自身で組んだ4人プラス助っ人1人。このメンバーを上述のレーンのルールにしたがって配置しなければならないので、一瞬の判断が戦況を一転させます。

　もちろんキャラクターたちには必殺技にあたるスキルもあります。スキルはゲージが溜まるとフリックで発動可能。しかも行動順に左右されずすぐ繰り出せるので、レーンに組み込まれた敵の攻撃を後出しで止めることもできます。

　文字で説明すると難しそうにも感じますが、基本は単純にキャラごとに攻撃範囲があって決めた順に攻撃していくというだけです。

　難しい要素は全くなく、それでいて戦略性とアクション性があり、指で操作している感覚が直接反映される感じがかなり楽しく、良くできています。

　ストーリーは中性系ファンタジー要素もありの国家間の争いを描いたかなり重厚な戦記もの。物語の発端となった反乱は何故起きたのか、そこに巻き込まれ幼くして領主となった主人公は何を思い戦うのかなど物語だけでも見どころ満載です。

　完全に趣味ですが、こういう「○年○月」みたいなモノローグでのストーリーが進むシーンは戦記ものらしくて堪りません。

　メインのストーリー以外にも全てのキャラクターにサブストーリーが用意されており、こちらは少しコミカルなものもあったりします。よりキャラへの愛情も湧きますよ。

　基本のストーリーやRPGとしてのわかりやすさはオーソドックスでありながら、しっかりとスマートフォンでゲームを楽しむために作られたという雰囲気がしてきます。ゲーム好きなら是非。