一枚の絵画に描かれた少女。彼女は状況だけ見れば「絵画の中の少女」といった儚げなフレーズを当てられそうだが、決してそうではありません。
むしろ死神と言ったほうが近いかもしれません。
彼女は絵の中から数多の要求をしてきます。お腹がすいた、話し相手の動物が欲しい…画家であるプレイヤーはその要求に答えるべく絵を描き足していかなければなりません。
なぜそうしなければいけないのか?
殺されるからです。
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見たともない暗い部屋。出口は無く、ドアの開け閉めも思い通りにならない、そんな空間で彼女の求めるもののヒントを探していきます。
探したものはスケッチとしてストックされ、描く際の候補となります。
描く動作はスケッチからキャンバスへストックされた絵を指で持っていくだけでOK。あとは回転するパレットからタイミングよく選んで色を塗ればいいだけです。
ただ動作としてはこれだけですが、内容が彼女の意にそぐわなければ無残な死を迎えるだけ。
正しく描くために必要な情報は部屋の中を探すだけでなく、時折携帯に届く絵画の過去の持ち主の記録からも読み取る事ができます。
もちろん過去の持ち主たちは凄惨な最期を迎えています。如何にそうならないかを考えましょう。
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ヒントの収集や少女との会話を兼ねながらストーリーが進んでいく加減とプレイするゲーム部分のバランスが絶妙で、遊びながら物語に引き込まれていく感覚がたまりません。
絵を描くパートもシンプルながら、どうヒントを活かすのが正解なのか毎回手探りになり、失敗すれば即殺される=ゲームオーバー(とはいえすぐにリトライできます)という緊張感もかなりのものです。
ストーリーは最初に思ったより10倍くらいホラーでした。ただ確かに怖いのですが、その中に上手く先を気にさせる展開をもりこんであるのが見事ですし、そのストーリーがあるからこそ描画パートの緊張感が上がるという相乗効果もあります。
描画パートも死ぬのは怖いですが、トライアンドエラーで確実に進めるようになるレベルになっていますし、全体の長さもそこまで長くはないので良質な短編小説を読んでいるような感覚で遊べます。
久々にインディーゲームらしい”手軽なゲームだけどそれだけには収まらない、それでいて大手にはなかなか出来ないゲーム”を体感できました。
ホラーやサスペンス部分が苦手な人には少しつらいかもしれませんが、それを超える満足度があります。おすすめです。
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