Photo Shop、Illustratorで有名なAdobe社が初のハードウェアである「Adobe Ink」と「Adobe Slide」を発表しました。
長きに渡り、デジタルグラフィック業界を支えてきたAdobeが放つデバイスは一体どんなモノなのでしょうか。
同じく発表されたばかりのAdobe製アプリ「Adobe Sketch」と「Adobe Line」と共に、発表会で体験してきましたのでレポートします!
iPad用スタイラスペン「Adobe Ink」は鉛筆のような3面構造で非常に持ちやすいのが特徴。
通常の円形状のものより手にフィットします。また質量も20.3gと軽く、長時間持っていても疲れにくそうな印象を受けました。
一番のポイントはピクセルポイントテクノロジーにより実現した、3.18ミリという極細のペン先。
これまでのiPadのスタイラスペンは太めのものが多く、認識されにくいという問題がありましたがAdobe Inkはその問題点を難なくクリアしています。
さらに筆圧感知もでき、その数値は2048レベルとデスクトップPCと変わらないスペック。
スケッチ用の無料アプリ「Adobe Sketch」でお絵かきしてみると、ペンの入りと抜きなどがデジタルであることを忘れるくらいに正確に再現できます。
微妙な力加減にもしっかり応えてくれるので、鉛筆の繊細な濃淡も本物の紙に描いているよう。
ペン先もただ細いだけでなく、アナログペンのような堅さがあるのでブレずに気持ちよく線が描けました。
「Adobe Sketch」では色や線の重なり具合も実際に紙に描いたように再現できるため、iPad上でほぼパーフェクトに近いアナログ描写が可能です。
「Adobe Sketch」自体がペイントアプリとして素晴らしい性能を持っており、指でも描画が可能なのですがやはりAdobe Inkを併用することでその威力が発揮できます。
一方こちらは目新しいカテゴリのデジタル定規。
iPadの画面上に置くとガイドラインが表示され、Adobe Inkでなぞると正確な線が簡単に引けます。
本体にあるボタンを押すと直線定規以外に円形や四角、マンガでよく使われる雲型定規に切り替えが可能。きれいなカーブもサクサク描けます。
無料の製図アプリ「Adobe Line」と組み合わせることで応用すれば、パースを使ったこんな描写も可能。写真の挿入もできるので、実際の風景を下書きにしてパースを取ることも容易です。
アナログのような繊細な描き味を持ちつつ、使い勝手の良さはデジタルならではの特権です。
スタイラスペン「Adobe Ink」は手がiPad上に当たることで起きる誤操作を防ぐ、「パームリジェクション」機能を搭載。デジタルだからこそ起こる問題にも対応しています。
ペンは自分の好みに設定でき、個別にパーソナライズ設定ができます。
また画像データをボタンでクリッピングできるので、自分のサインや会社のロゴマークなどのコピペも簡単に行えます。
別の人のiPadでも自分のペンを使えば、設定やクリッピングした画像が呼び出せるのは非常に便利ですよね。
Adobe InkとAdobe Slideの日本国内での発売は2014年末予定。(アプリ「Adobe Sketch」と「Adobe Line」は既に配信済み。)
特にiPadでこれだけアナログに近い描き味を再現できるのは非常に驚きました。(しかもアプリに関してはAdobe Sketch、Adobe Lineともに無料というスゴさ)
アナログとデジタルの長所を兼ね備えたデバイスだけに、今後のスタイラスペンの動向も大きく変わってきそうです。
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