数日前からApp Storeにて一部のアプリに大量の謎レビューが付けられる現象が発生しています。
被害を受けているのは「上原の冒険」シリーズや「新宿ダンジョン」など人気アプリを多数リリースしているuehara(@UeharaLabo)さん。
自分のアプリに謎レビューが一気についてきてこれappleさんの怒りに触れないかが怖い・・・ pic.twitter.com/GbH9zumPl6
— uehara (@UeharaLabo) October 1, 2019該当のアプリはこちら
レビューは星が5つなのですが、レビュー記載者名やレビュー本文がめちゃくちゃです。例えば以下。
タイトル:ぺ荒野行動イで」商品の
記載者:え后い陈5央嗣
本文:機能のyoutube復活お願。良かったです。また次使いたいです!
タイトル:インスタk絶対こ
記載者:李巳えいEっっとー(笑)
本文:これで登メルカリ録お願が受け取れて楽しい!流行に乗れる!いろいろなアニメが知れる!
タイトル:は良いドラクエのですが便利
記載者:つる蚌郑沢の富j竹
本文:以youtube前、現金支払いアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッアーラオイシッ
これはごくごく一部でこんな感じのレビューが延々とついています。
最後のは正直ちょっとおもしろかったですが、とにかく内容が支離滅裂であること、なぜか全然関係ない別アプリに言及するような文言が見当たるころ(これらのレビューがついたのは脱出ゲームアプリです)、記載者名は日本の常用で無い漢字+ひらがな+英字、ときどき数字で構成されていることなどが共通点となっています。
で、これが何が問題なのかということです。「内容めちゃくちゃでも星5レビューが勝手に付けられてるだけなんだから、儲けもんなんでは?」などと思ったら大間違いです。
まずこれらのレビューは実働の実態が無く、アプリのアクティブユーザーになっていないため、アプリ内の広告や課金などによる収入は見込めません。そのため開発者には実際の得は無し。
で、さらにまずいのが、これがAppleに不正とみなされてしまうこと。開発者自身がそう誘導したわけでも無いのに勝手に大量のスパムレビューが付けられたことで、Appleに「お前レビューの不正してるな」と思われApp Storeのランキングから消されてしまうことになりかねません。
なりかねません、というより実際にそうなってしまっています。
あの大量の謎レビューが付きまくってたアプリ、無事ランキングBANされました!!
まあこれ結構昔のでもうランキング入らないやつだったから諦めるけどさ、多分Appleに何言っても通らないやつだろうし
これで特定のアプリに攻撃してランキングから消す事が可能ってことが証明された・・・
ueharaさんもツイートで触れていますが、これにより第三者が人のアプリに大量にスパムレビューをつけることで、Appleに不正と思わせランキングから消させることが可能ということになってしまいました。
Appleに訴えればよいのでは?と思われるかもしれませんが、おそらくAppleはこういった部分は今までのApp Storeでの対応からして聞き入れないと思われます。Appleからすればアプリ提供者とレビュー記載者が無関係であることが証明できないという形になると思われます。
どこのだれともわからない組織だった不正であり、その実態が掴めなないということもあり、Appleに確かな証拠を提出することも難しい内容です。ただ、ちょっと意地悪な言い方をしてしまうとおそらくAppleはそういった証拠を掴んだとしてもなかなか重い腰を上げないとも思います。これはあくまで感覚なので申し訳ないのですが、過去App Storeができてからずっとその動きを見てきましたが、基本的にAppleはまず動きが遅いが動き始めた場合に疑わしきは罰する、相手の言い分は被害者加害者ともに聞き入れない、が基本的な動きなので一度目をつけられるとほぼほぼ問答無用で処罰が下ります。
とはいっても、今回の件で現在何かしらAppleに対してアクションを起こしたわけではないようなので、やってみるのもアリかもしれませんが、そこは時間と手間との戦いにもなりますしなんとも難しいところ。
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で、気になる犯人ですが、これは現在不明です。ただ、予想は付けられます。
一瞬意味不明な今回の謎レビューですが、こういったことをすることで利益を得られる人間なり団体なり会社なりがあるわけです。
アプリに詳しい方ならご存知だと思いますが、以前アプリストアでランキングを故意に上げる「ブースト」と言われる手法がありました。
これは一部の広告代理店が行っていた行為で、商品を購入したりレビューを書いたりすると換金できるポイントがもらえるポイントサイトにアプリを掲載し、ポイントでユーザーを釣ってDLを促す行為です。これにより、アプリのDL数を意図的に上昇させてランキング入りさせることができます。もちろん不正行為でApple・Googleといったプラットフォーマーからは禁止されている内容です。
こうやってDLされたアプリはポイントのためだけに落とされたので遊ばれること/使われることはほとんどありません。
そしてアプリストアのランキングは、詳しくないユーザーほどランキング上位にあるアプリは実態としては遊んでいる/使っているユーザーはいないのにも関わらず売れていると勘違いしてダウンロードしてしまう。まさにそこを狙った不正でした。
このせいでアプリストアのランキングは形骸化、これだけが全てではありませんが結果としてAppleはApp Storeのランキングをストアページの中の奥底に入れて見づらくし、現在はこの手法自体が終息に向かっています。
重要な金の流れですが、アプリの提供元はDL数を確保したいため広告代理店にお金を払う。そのお金を使って代理店はポイントサイトにアプリを掲載を依頼という感じです。
やっとここで今の謎レビューに戻しますが、一番考えられるのがこれら「ブースト」で行われるポイント欲しさによる適当なレビューが何かしらの間違いかテスト運用の様な形で勝手に付けられたのではないかという説です。
また、気になるのがレビューの文字で、明らかにまともな日本人が書いたものではありません。名前もランダム風だけど若干の法則があります。
このレビュー郡自体がブースト行為の経過ではあるものの、ポイントサイトを通じて一般に募集されたレビューではなく、自動生成する文言を組み合わせて勝手にレビューを書く・海外で何もわからない人間に低賃金で適当に文言を組み合わせて書かせるなど何かしらの仕組みも介在していると思われます。
またもう一つの予想がもっとひどいもので、これについては同じくアプリ開発者のカンPicontierUnity(@Kan_Kikuchi)さんが言及しています。
1.売れてるアプリに怪しい高レビュー爆撃をしかける
2.不正とみなされ、アプリがランキングから消える
3.直後に丸パクりしたアプリを出す
4.本物は消えてるからユーザは誤認しやすい
という事も可能なわけか。
しかもAppleと交渉できる大手ならともかく、個人じゃ対抗策が全くないという……!
内容としてはこのツイートそのままで上述もしていますが、人のアプリにスパムレビューを大量につけることでAppleに不正を誤認させ、ランキングBANさせるということです。
そしてアカウントからアプリが消えた時点で、スパムレビューを付けさせた人間/団体は同じ様なアプリを出せばその立ち位置を乗っ取れるということになります。
これが実際に行われるかは不明ですが、現在これが可能になっているのがApp Storeの実情ということがわかりました。
影響範囲はまだ大きくないとはいえ、すでに一人の開発者の売上にも関わる迷惑行為であり、今回の事件はまだ実行者のテスト段階でさらに被害が大きな形ででる可能性もありえます。
今回この記事を書くこと自体がこの迷惑行為を知らない不正行為者に知らせてしまうことにならないか、という心配もしましたが、それ以上にこういった不正が行われようとしているということを広く認知してもらうほうが後々不正を止める手立ての助けになるのではと思い記事を書きました。
今後も動向をさぐり、何かしら動きがあればお伝えできればと思います。
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