【追悼企画】エイリアンのデザインだけじゃない。巨匠H・R・ギーガー氏を振り返る

 スイスの画家、H・R・ギーガー氏が去る5月12日に亡くなりました。

 誰?という方もエイリアンをデザインした人と言われるとピンとくるのではないでしょうか。

 無機物的なデザインの中に漂う生々しさ。グロテスクでありながらも、どこか美しい作品達は一目でギーガー氏のものだとわかるほど唯一無二の存在感がありました。

ゲームデザインも

 ギーガー氏の作品はゲームでも多数起用されています。

 有名どころだとPCエンジンで発売されたRPG「邪聖剣ネクロマンサー」

 ギーガーのイラストを使用したジャケットは、怖いもの好きの小学生の心を惹きつけるのに十分な引力がありました。

 またゲーム作品として外せないのはPCやプレステなどで発売された「ダークシード」シリーズ。

 脳にエイリアンの胎児を埋め込まれた主人公がギーガーデザインの異世界を行き来するという、多くのファンの心に残るADVです。

 初見ではほぼクリア不可能な難易度から、ゲームの説明書にクリアまでの手順が記載されているという異例の作品でした。

 ゲームとしてどうかはさておき、ギーガーのめくるめく世界をうろつけるだけでもワクワクなので問題ないでしょう。

あの民芸品からパリコレまで

 グッズも多いギーガーですが、中でも話題となったのがMAGONO-TE(まごの手)。

 かゆい所を刺激するというより、そのまま肉を噛みちぎりそうなクリ―チャーデザイン。

 価格は6,264円。現在は入手困難となっています。

 さらに2010年のパリコレではアレキサンダー・マックイーンがギーガーにインスパイアを受けたハイヒールを発表。

 ヒールに絡みつくイカゲソのような触手など、舞台がパリコレになってもらしさは大いに健在していました。

現実に出現したギーガーの世界

 実はギーガー氏、絵画だけでなく建築や工業デザインも学んでおり、イスなどの家具もデザインしていました。

 そんな氏のデザインを身を持って体感できるのが、故郷スイスにある美術館に併設されたHR GIGER BAR。

 クリ―チャーの胎内にいるような空間で軽食が楽しめます。

 エイリアンコーヒーという飲み物があるそうですが、いたって普通のコーヒーらしいのでギーガー初心者も安心ですね。


(HR Giger公式サイトより)

 ところでこのGIGER BAR、日本の白金台にもあったことをご存知ですか?


▲日本にあったGIGER BAR入口

 とはいってもバブル全盛期の1988年のこと。すでに閉店しており、現在は建物自体もなくなっています。

ギーガー先生ありがとう

 ギーガー氏の死因は階段からの転落による、頭部強打だったそうで何とも悔やまれます。

 享年74歳。作品を通して、妄想と興奮そして癒しを与えてくださったギーガー先生、ありがとうございました。

⇒ HR Giger – The Official Website

 

 ライター sunagimo @sunagimogingin

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